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CGがアニメ業界の救世主になる?

CGがアニメ業界の救世主になる?

アニメーターの過酷な労働環境や作画納期の遅れによる放送延期など、アニメを取り巻く状況はなかなか厳しいもの。こういった問題がクローズアップされて人手が集まらず、結果として今いる人たちにしわ寄せが来る…という悪循環が続いているのが現実です。

この問題の解決策になるかもしれないと期待を寄せられているのがCG技術です。納期ギリギリになって一気にあがってくる作画とは違い、CGは毎日の積み上げ作業。スケジュール管理がしやすいのです。またCGの場合、アニメーションや顔の動きをデータとして蓄積させることができます。動きのよかったキャラを一部分だけ入れ替えて使ったり、顔をコピーして次の作品に活かしたりと制作効率がグッと上がるのです。キャラクターの元データが残っていれば、時間が経ってからの続編やメディアミックス展開時でも質の安定したCGアニメを提供することが可能。名だたるCG会社はスタジオ単位で仕事を請け負うため、基本的には月給制の社員雇用を行っています。アニメーターも安定した生活が保障され、働きやすくなるのです。CG技術が普及すれば、さまざまなところにメリットが生まれます。

アニメ風の風景

こういったことからも分かる通り、これからアニメ業界に飛び込んでいくならCGスキルは必携といっていいでしょう。現場で求められているのは即戦力として活躍できる人材。CGスキルに関しても高度なものや、高いクオリティにこだわった作品制作を期待されています。重宝される人材になるにはそれ相応の勉強をしていかなくてはいけません。学習機関でも、アニメ業界のCG化に対応するためのカリキュラムを用意しているところが増えてきました。新たに開設される専門職大学においてもそれは同じ。例えばデジタルコンテンツを学びCGアニメーターを育成する国際工科専門職大学のデジタルエンタテインメント学科にはCGアニメーションコースが用意されています。学問的なアプローチと実習を組み合わせた学びを通して、アニメーションとCGについてしっかり身につけられることでしょう。

日本では2Dのセル画で制作されたアニメのような表現をCGで行うセルルックという手法に人気が集まっているのですが、海外では一部の日本アニメファン以外には受け入れられていません。セルルックでいくのかフルCGでいくのか。こういった問題も含め、アニメ業界はまだまだ変化していくでしょう。この変化に乗り遅れないようにするためにも、CGスキルは欠かせません。

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